鹿児島 (鶴丸)城跡

鹿児島（鶴丸）城は1602年（慶長7年）、島津家第18代・家久によって築かれた城で、270年にわたって島津氏の居城として利用されました。鶴が翼を広げるような形状ゆえ、鶴丸城と呼ばれています。
関ケ原の戦いで西軍側に属して敗北した島津氏が、徳川家康の薩摩征伐に備えて築いた城でもありますが、朝鮮出兵や関ケ原の影響で財政が苦しかったこともあり、石高77万石の薩摩藩の城とは思えないほど質素な作りでした。
鹿児島（鶴丸）城は、天守閣を持たない造りの城で、これは幕府に配慮し、恭順の意を示す為だったともいわれていますが、「城をもって守りと成さず、人をもって城と成す」した島津藩流の思想によるものです。また、嶋島津氏は、中世流式山城を領内各地に残し、113区域を藩士に守らせる「外城制度」を敷いていました。
現在も本丸と二の丸の周囲の石垣がほぼ完全な形で残されています。
本丸跡に鹿児島県歴史資料センター黎明館、二の丸跡には鹿児島県立図書館、鹿児島市立美術館、鹿児島県立博物館などが建っています。
正面中央には、鹿児島（鶴丸）城の御楼門がありましたが、明治6年（1873年）の火災で焼失しましたが、2020年3月末には、高さ・幅ともに約20ｍある国内最大の門が復元される予定です。
日本100名城97に指定され、城跡は鹿児島県史跡に指定されています。