大辻神社は、旧山郷村の中心にあり、山郷小学校北西部に位置します。この地の開墾は、宝暦6年(1756)、鼓村、南中津原村、北中津原村の庄屋が、桑名藩主松平下総守に願い出 た事に始まります。開墾当初、水利の便が全くないため夏の早害はひどく、農作物の収穫は期待外れでした。そこで、鼓村庄屋渡辺三郎右衛門は溜池(神田の溜)や水路を作 るなど困難な水利事業を行い、ようやく一部の地で稲作 が可能な土地となりました。
この地に住み、田畑を作っていた川瀬仙太郎は大辻神を勧請し鼓の波羅神社から分霊し、産土神を祀り寛政5年(1792)、収穫した小麦 で作った「うどん」を年一度の祭りでお供えし、「神様と先祖のおかげでうどんが腹いっぱい食べられる」と 感謝しました。これがうどんまつりの始まりです。 まつりは現在も行われており、7月第2日曜日、神様にうどんをお供えし、そろってうどんを会食します。昭和53年頃には40戸の集落も現在は150戸になって、小学校の体育館をお借りし、近年ではご馳走も豊富 になり、お楽しみ行事も催されるなど、地元の大切なイベントとなっています。