素鵞神社

ここの神社は、吉浜の高台にあって、祭神は素佐之男命（牛頭天王）、伊弉諾神、伊弉冊神の神で、風土記には（牛頭天王社御神体石像、村の鎮守なり）と書かれていて、当社社名については、古来牛頭天王と申したようで、土地の人々は今でも天王さんと言う人がいます。
宝永五年（1708年）の奉納額や天保七年（1837年）に編纂した相模国風土記にも、『牛頭天王社』と書かれているところから現在の『素鵞神社』と改名されたのは、それ以後のことで詳しいことはよく分からないのが実情です。
「八雲立つ出雲八重垣妻ごみに…」という素佐之男命が詠まれた歌にちなんだ字名が土地につけられていることからも、素佐之男命との関係があると思われます。元和六年（1620年）十二月社殿を新築し、鳥居は昔は海岸にあったものが、天保年間に今の位置に移転し、その後火災、震災に遭い度々改修して現在の所に定められました。また、平成九年十二月に鳥居が傾いてきたので、修繕をしました。さらに、平成十八十二月から平成十九年十月に起きた西部地震で倒れた玉垣を十二月に修繕をしました。平成二十五年十月から平成二十六年ニ月にかけて、参拝用のトイレ及び社殿の右側の欄干の修繕を行いました。
例祭は、かつては七月十三、十四日の両日に行われていました。昔は、仮殿を海岸に作って、例祭一週間前から御神輿をこれに奉安し、七日目の未明にお目ざめと称して鹿島踊りを奉納した御神輿渡御を行ったようです。しかし、この一週間は特に祭事については何もしなかった特に言われています。
この鹿島踊りについては、古来中国に八行八列の踊り（ハッパの踊り）というのがあり、その系統をしいたものとして、五行五列の本格的な珍しい踊りが鹿島踊りで、これらのことから、昭和二十九年七月には神奈川県無形文化財に指定、昭和四十六年十一月には国選定無形文化財に指定され現在も、受け継がれています。
とにかく、元和以前より代々鈴木家牛頭天王社に奉仕する所とし、元和六年十一月に十六には社殿を創立し、その後明治六年七月に村社として列せられました。
大正十二月九月一日の大震災により神社も一時壊滅しましたが大正十五年十一月これを改築し、昭和九年七月には（神撰弊帛料）供進神社に指定されたのであります。
例祭は、一時湯河原統一祭典に参加し八月一日としました。統一祭典にさが廃止になった現在も、そのまま八月一日としています。※素鵞神社の由緒書より