徳林寺

長保年間、大江匡衡が尾張守に任じられた際、先祖である阿保親王の守護仏だったといわれる大江家伝来の不動明王を大須に不動堂を立てて安置したことがはじまりであるという。ほかの説として、長徳5年（999年）または永保2年（1082年）に尾張国海西郡において不動明王を本尊として創建されたのが起源とも伝えられている。
応永年間、宝生院（現・真福寺）3世・任瑜法親王が不動堂本尊の霊験に感動して、智証大師作と伝わる脇侍二童子と運慶作と伝わる毘沙門天を近江から移して大伽藍を造営した。
寛永年間には大洪水で堂宇や仏像はすべて流失してしまった。しかし、寛文8年（1668年）にかつて奥の院という堂に安置されていた不動明王が土の中から見つかり、翌年には領主・毛利氏が堂宇を建てた。その後流失した仏像の一部が各地で見つかっていたため、それらを戻して安置した。
昭和25年（1951年）、当時寺があった海津郡平田町幡長（現・海津市）から交通の便が良い現在地に移転することが桑原村在住の篤志家によって発願され、翌年に移転された。