この神社は、久斯之大神を祀る三茶屋集落に住む人々の氏神です。
大井の大水上之神と笛吹の天照国照日子火明之命の二柱を合わせて祀って、俗に三社大明神とも呼ばれています。
久斯之神は少名毘古那神とも呼ばれ、大国主之神とともに国造りをした神とされています。また古来より医薬の神とも、酒造りの神としても信仰されています。
この神社の前を通る道は、伊勢街道と呼ばれ、伊勢参詣の人々が往来した古い街道で、それを示すように、社前には文政十三年の銘がある大神宮おかげ詣りの石灯篭が建てられています。
また、この神社がある三茶屋の集落は、東西に走る伊勢街道と、南北に通じる宇陀・吉野を結ぶ街道の交差点に位置し、古来より交通の要衝として発達したところです。かつて、この集落内に上茶屋、中茶屋、なかやと呼ばれる三軒の茶屋があって、紀州徳川候が参勤交代のおり、ここで中食をとるところと定められていたことから、三茶屋と呼ばれるようになったといわれています。