天平9年(737)行基菩薩の開基といい、本尊の薬師如来も行基の作と伝えられます。南朝の名将三隅兼連の墓があります。同寺にある菩薩型立像は、大田市温泉津町の護光山竜沢寺(りゅうたくじ)にある釈迦如来とともに島根県で2体しか確認されていない木喰仏(もくじきぶつ)として有名です。木喰日記によると、木喰五行上人は寛政10年(1798)4月9日から14日まで正法寺に滞在、この仏像を刻みました。どういうわけか、仕上げが完全でないままに立ち去りました。木喰仏の制作過程を知る上で貴重な作品であるということです。