大佛寺 (佐吉大仏)

宝暦9年（1759年）、美濃聖人とも称される永田佐吉によって青銅の釈迦牟尼仏と総欅造の御堂（大仏殿）が完成された。佐吉は江戸中期、羽栗郡竹ヶ鼻村の出で、親孝行や匿名での社会奉仕などで知られ、仏佐吉（ほとけさきち）や美濃聖人（みのせいじん）とも呼ばれ明治期には国定教科書にも記載された人物である。佐吉は諸国巡礼の際に旅先で病にかかり死の淵にたったが、仏に祈ったところ全快したために帰ってから大仏・大仏殿の建立を依頼し、宝暦8年（1758年）に大仏が5つの部材まで作られ、船で運ばれて現在地で組み立てられた。
大仏は台座を含め高さ4.9m、台座の周りは8.3mで、江戸の鋳物師・西村和泉守藤原政時の作である。
御堂（大仏殿）は大仏の建立とともに欅を用いて建てられた。しかし、明治24年（1891年）に濃尾地震による火災で焼失したため、その後しばらくは大仏が野ざらしとなっていた。
昭和37年（1962年）、現在の大仏殿がコンクリート造で完成した。このとき、宗教法人としての登録を行い、単立寺院・大佛寺として寺号を定めた。