比叡山延暦寺 法然堂

　ここ「法然堂」（ほうねんどう）は、現在「金勝院」（こんしょういん）と呼ばれていますが、その当時「功徳院」（くどくいん）と呼ばれ「扶桑略記」を撰した、皇円阿闍梨（肥後の阿闍梨）の住房の跡地であり、法然上人（ほうねんしょうにん）が、勢至丸（せいしまる）と名乗られていた頃比叡山に登られて、古来の元服の際、法然上人15歳の時に、剃髪得度（初めて頭を剃られ正式にお坊さんになられること）をされて、皇円阿闍梨様から天台の学問を修められた所です。
　そのお坊さんになられる際に、初めて授けられたお名前「円明房善弘」（ぜんみょうぼうぜんこう）と申されました。上記の経緯から現在の「法然堂」はまさしく「法然上人得度の霊蹟」「浄土門発祥の地」「剃髪の故地」であります。
昭和7年（1932）5月、この堂宇なき霊場を再興せんと発願し、西山浄土宗、柳谷楊谷寺　貫主「日下俊隆（くさかしゅんりゅう）大僧正」が願主となり、浄土教の各宗派の道友が一丸となって広く道俗有縁の清い喜捨を求め、苦心経営の末、草庵を構え「法然上人得度の御尊像」を安置されました。更に昭和10年浄土宗西山深草派「真宗院」秘蔵の「法然上人晩年の尊影」と「法然上人一第絵伝」を祀って境内の石碑にありますように「法然上人得度御旧跡」（法然上人が初めて剃髪されてお坊さんになられた所）として、今日に至ります。
（法然堂由緒書より引用）